合唱劇「カネト」 名古屋公演 NAGOYAまちじゅうGA芸術祭参加事業 2007年11月3日・4日 愛知県勤労会館

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合唱劇「カネト」 名古屋公演 レポート

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Photo by Fujimori
「これが天竜峡か!」
切り立つ崖を見下ろして、カネトは思わず息を飲み込みました。

M11.天竜峡

「どうやって資材を運ぶんだ!
歩けそうな道なんてどこにもない!
いったいどうやって測量したらいいんだ」

その時です。はるか真下の天竜川を、一艘の川船が、矢のようなはやさでくだっていきました。
「そうだ!天竜の人たちがいるじゃないか!
あんな激流を、たった竿一本で船を操って進む人がいるんだ。立派にやり遂げてみせるぞ」
Photo by Fujimori

M12.戦い

そう心に誓ったカネトでしたが厳しい自然にはばまれ、測量は一進一退でした。
けもの道を切り開き、枝をバネに木から木へと渡り歩き、崖を登り降りして測量を進めました。
Photo by FujimoriPhoto by Fujimori
Photo by KondoPhoto by Kondo
Photo by Fujimori
天竜峡谷は野生の王国そのもので、カネトたちはいのししの急襲にあいました。
Photo by Kondo
「ワー!助けてくれ!」
雪に足を取られ、仲間が足を滑らせました。
命綱のおかげで、かろうじて岩にぶら下がっています。

M13.命綱

「命綱が岩でこすれて切れそうだ!ゆっくり、ゆっくり……」「助かった!」
Photo by Fujimori
「あっ!タヌキ!」
測量隊が仕事を終えて、宿舎に戻ると、一匹の子ダヌキが迷い込んでいました。

M14.タヌキ

「タヌキだ!つかまえて!」 「よし!そっちだ!あっ!こっちだ!こっち!」
Photo by Fujimori
やっとみんなで捕まえた子ダヌキはポン太と名付けられました。
「かなちゃん、ポン太はうまいタヌキ汁になるよ」
「だめ!ポン太は私の大切なともだち!」
Photo by Miura
ポン太はひとりぼっちだったかなちゃんの、良い遊び相手になりました。
Photo by FujimoriPhoto by Fujimori
Photo by Fujimori
M15.雨

けれど、雨の日が何日も続いたある日、ポン太の姿がぷっつりと見えなくなってしまいました。
ポン太はどこに行ってしまったのでしょう。

M16.ポン太
Photo by Fujimori
M17.食料を求めて

食料を運ぶ川舟がやってこないため、食料がわずかになりました。
峠を越えて、水窪の町まで食料の買い出しに出かけました。

M18.今日よりも明日
Photo by FujimoriPhoto by Miura
Photo by Fujimori
天竜峡に来て2年と数ヶ月、測量はついに完了しました。
これでアイヌ測量隊は古里へ帰れるのです。

M19.帰れるぞ!故郷へ
Photo by Fujimori
「さあ、みんな踊ろう!」
みんな嬉しくて、輪になって踊り始めました。
アラハオー ホイヤー イヤハオー ホイヤ……
みんなの顔が輝いていました。

M20.喜びの踊り
そこへ、工事担当の責任者、木本さんがやってきました。
「測量は終わりましたが、引き続き線路工事の現場監督を引き受けてくれませんか?
天竜峡〜門島間8.3キロメートルの工事はとても難しく、危険な工事です。
けれど、カネトさんならきっとやれる。」

Photo by Kondo
「……分かりました。引き受けましょう。
頼まれた以上、必ずやり遂げて見せます。」

「だが、現場監督は大勢の人夫たちを指揮しなければならない。
アイヌの私に人夫たちが素直に従ってくれるだろうか……」
Photo by Fujimori
ガー!ダッダッダッダッダッー
削岩機の音が山にけたたましくこだまします。

M21.工事現場
Photo by Kondo
台風で天竜川の水があふれ、土台ごと線路が流されてしまうこともありました。

M22.カネトの夢が…
Photo by Fujimori
「このままでやり遂げることが出来るだろうか」
カネトは焦り、人夫たちもいらだっていました。

M23.後悔
Photo by Kondo
「水だぁ!トンネルから水が出たぞ!」
トンネルの天井から水が出て、手がつけられないほどです。
Photo by Fujimori
「ちきしょう!こんな工事やってられねえ!
アイヌ野郎に使われるのはもうまっぴらだ!」
不意に、荒くれ男が丸太でカネトに殴りかかりました。

M24.襲われる
Photo by Fujimori
「どうせ壁をコンクリートでまくんだ!
こいつも一緒に埋めてしまえ!」
カネトは男たちに、穴の中に放り込まれ、土砂で埋められてゆきます。
「君たちは間違っている!」

M25.アイヌの誇り
Photo by Fujimori
「聞いてくれ!俺は、北海道にいるときも、天竜峡に来てからも、この仕事に誇りを持って生きてきた。
人間は姿、形で生きるのではない!
生きるということは、少年の日の夢と希望を、人間の誇りを生命の中に生かすことだ。
アイヌを殺すことが、おまえたちの誇りだというなら、今すぐコンクリートをぶち込むがいい!」

「カネトさん!大丈夫か!」
カネトの動じない姿に、荒くれ男たちの手が止まったその時、工事責任者の木本さんが飛び込んできました。

こうして、工事をはじめて3年後の昭和7年、天竜峡〜門島間を開通させました。
その5年後に三河川合〜天竜峡がつながり、難工事と言われた三信鉄道が完成しました。

M26.完成
Photo by FujimoriPhoto by Fujimori
カーテンコール
Photo by FujimoriPhoto by Miura
Photo by Fujimori
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